瞳の片隅に初恋を感じる16時からの それもあ里っ沙

ハロヲタのための24のガヴォット第16番ホ短調

酸性酸化物

さて教科書とか受験参考書などに必ず出てくる不思議な言葉です。
文字通り解釈すると 酸性の酸化物 なんですが

それなら  酸とどう違うのか ってことになりますよね

実際広い意味での酸には含まれてしまうものが多いわけです。
アレニウスの定義(いちばん一般的な定義)によれば

酸=水溶液中で電離して水素イオンを生ずるもの  ですから

二酸化炭素  二酸化硫黄  十酸化四リン  など
酸性酸化物と呼ばれているものはほとんど酸にあたるわけです

しかし二酸化ケイ素は水に溶けませんからアレニウスの定義における酸ではありませんが
塩基に対しては酸として働き、塩基を中和する能力があります

つまり酸性酸化物とは 酸として働く酸化物 ということになります。


都合の悪いものはすべて省いて考える受験化学においては

非金属元素の酸化物=酸性酸化物  と考えることになってます。



だから 非金属元素の酸化物はアルカリに溶けるものが多い ってことになってきます。
受験の化学でよく出題されるのが乾燥剤の選択

二酸化炭素 二酸化硫黄 二酸化窒素 などを乾燥させるときは
アルカリ性の乾燥剤は使えない
(逆に元素分析などで二酸化炭素を吸収するときはソーダ石灰を使うわけですが
 先に塩化カルシウムを通さないと水まで一緒に吸収してしまう
 塩化カルシウムは中性なので二酸化炭素を吸収せず水だけ吸収する)



二酸化炭素が酸性酸化物 すなわち酸であることを意識している人は少ないかもしれませんが
水酸化ナトリウムとかを使って中和滴定をするとき
ぼやぼやしてると空気中の二酸化炭素とどんどん反応して大幅に狂ってしまうことがあります。


動物の体液中でも二酸化炭素の存在は大きく
二酸化炭素が発生するとpHを大きく変えてしまいます
それを考えると動物の体液の緩衝能は驚異的です


二酸化炭素が溶け込んだ雨水はpH=5.6 くらいになるはずですが
窒素や硫黄などの酸化物が存在すると
これらはさらに強い酸として働く酸性酸化物なのでpHはさらに小さくなり
このような雨を 酸性雨(acid rain)と呼んでいます。