瞳の片隅に初恋を感じる16時からの それもあ里っ沙

ハロヲタのための24のガヴォット第16番ホ短調

硫酸イオン

arisa00162009-07-24


硫酸イオンはきわめて安定なイオンで
通常の条件では 酸にも塩基にも酸化剤にも還元剤にもなりません。
よく 硫酸イオンがあるから酸性 などという
とんでもない勘違いをしてる人がありますが
硫酸イオンは水溶液中で加水分解しないので全く中性です。
硫酸の水溶液が酸性を示すのは
硫酸が電離して生じる水素イオンのためで硫酸イオンは関係ありません
硫酸アンモニウムの水溶液が酸性を示すのも
硫酸アンモニウムが電離して生じるアンモニウムイオンが
加水分解して水素イオンを生じるためです。
だから 硫酸ナトリウム や 硫酸カリウム などの水溶液は中性です。

硫酸イオンは酸塩基反応や酸化還元反応においては
反応の前後で変化しないのでイオン反応式には登場しないことが多いのです。
硫酸イオンが反応するのは沈殿反応だけで
鉛(II)イオンやアルカリ土類のイオンとは反応して白色の沈殿を生じます


なお 硫酸 H2SO4 は 硫酸イオンとは全く異なるもので
酸化剤や還元剤としてはたらくことはない(熱濃硫酸は酸化剤になる)ですが
水溶液中で2価の強酸としてはたらき 水素イオンと硫酸イオンに電離します。
つまりそれだけ硫酸イオンが水溶液中で安定だからです。
硫酸分子の状態でいるよりも硫酸イオンになったほうが安定なので
大量の溶解熱を出して硫酸イオンになるわけです。