瞳の片隅に初恋を感じる16時からの それもあ里っ沙

ハロヲタのための24のガヴォット第16番ホ短調

雨だれ(太田裕美)


♪寒くはないかと気づかうあなたの
 さりげない仕草に気持ちがときめく
 淋しがりやどうし肩寄せあって
 つたえあうのよ 弾む恋の芽ばえ 

太田裕美が 雨だれ でデビューしたのは1974年の11月1日 
1955年1月20日生まれだから もう20歳目前
最近のアイドル歌手ならすでに引退している人も多い年齢だ
ピアノの弾き語り というスタイルや フォークやクラシックの要素を加えた曲
この時代だからこそ成立したのかもしれない
その後多くの人たちが挑戦したジャンルだけれどほとんどが失敗に終わった
年齢の割に声が幼い ということもいいほうに作用しただろうけど
このあと70年代の終わりごろまで主要な作品を提供し続けた
松本隆-筒美京平 の功績は大きい
とくに文学青年であったと思われる松本隆の歌詞は当時の大学生に強く支持された
あのころの大学生は本を多く読んでいたし、現在に比べればずっと教養があったと思う 


売り方の戦略としてはアイドル系なんだけど
いわゆるミーハー路線ではなくて
歌詞は多くの文学作品からの引用があるから聴く側に教養が必要だし
曲はクラシックやフォークをはじめいろんな要素を加えながら
謡曲としてのわかりやすさとかポップさを失っていない
歌は音大の声楽科にいたからクラシックの基礎があり
スクールメイツにいたからTV業界のことも心得がある
こうしたことが絶妙のバランスを保っていたように思える