酸素 と 酸化還元
なんかね 水素と酸素って特別な元素みたいな気がするんですよ
ちょうど数学でいう0と1みたいな
どっちかっていうと水素が1で酸素が0かな
水素の原子番号は1だし、酸素の元素記号はOだから
水素が1族の中で特殊であるように
酸素は16族の中で特殊なんですよ
硫黄 セレン テルル とはあんまり似てない
狭義の酸化還元では
酸素と結合する=酸化される
酸素を失う=還元される
となっていて
広義の酸化還元では
電子を失う=酸化される
電子を得る=還元される
となってるわけだけど
酸素の電気陰性度はフッ素の次だから
フッ素以外の元素が酸素と化合すれば
広義のほうでも酸化されたことになる。
エネルギー論的には
酸素は単体が不安定なため
多くの元素は酸素と結合した状態が安定で
もともと酸化物の状態で存在しているものが多い
だから酸化されればエネルギーを放出し(多くの場合発熱)
還元するにはエネルギーを与えなきゃいけない
このへんのことがある程度理解できてると
かなり学習はしやすいんだけど
どうも中途半端な理解のままやみくもに突撃して・・
てなことになってる人が多いんじゃないかな
酸素の電気陰性度は3.5 これは全元素中でもフッ素についで大きい
だから酸素がフッ素以外の元素と化合していれば
その酸化数は必ず −2 になるわけです。
ところが過酸化水素は分子中に 酸素-酸素 の結合があるので −1
そしてもちろん単体の酸素は 0 です。
過酸化水素は酸化剤に対しては還元剤として働き、酸化されて酸素になります。
【過酸化水素】→【酸素】+2【水素イオン】+2【電子】
このとき酸素の酸化数は −1 から 0 になります。
ところが還元剤に対しては酸化剤として働き、還元されて水になります。
【過酸化水素】+2【水素イオン】+2【電子】→2【水】
このとき酸素の酸化数は −1 から −2 になります。
さらに過酸化水素が過酸化水素を酸化し
過酸化水素が過酸化水素を還元する
ということもおこるわけで
このような反応を自己酸化還元反応といいます。
だから濃度の高い過酸化水素というのは大変危険なわけです。